物的なものではなく、常に魂の体験を優先してください。
つまりは、今どういった気持ちを味わっているか、ということです。
物的な困窮自体は人間の利己主義が引き起こすことですが、
単純にかわいそうだと思うのと同時に、その中身をよく見てください。

物的な困窮はとてもありがたいものです。
特に傲慢な人を叩きのめし、性格を改善させることに役立ちます。
今日持っている人は、明日持たざる者になるかもしれません。
神はその体験が必要だと感じれば財産を奪うこともできます。
これは傲慢になって神の法則に逆らうようになると自動的にそうなるのです。
各人によって環境の差異があるので色々なことが起きますが、
むしろそうなったほうがよい、ということを覚えておいてください。

私は物的困窮を味わって本当に良かったと思っています。
これによってどれだけの恩恵を受けたかわかりません。
莫大な財産よりもはるかに価値のあるものであることは間違いありません。
失った時を知っているので執着しません。恐怖もしません。
すべて神のものであることを悟れば、怖いものなどないのです。
どのみちすべては神に返すものですから。
普通に考えても死んだら財産は持っていけませんよね。
寝たきりになったら何兆円持っていても楽しくないでしょう。

最近、未来が少しずつ見えるようになってきました。
霊的に覚醒してから感覚が鋭くなって、軽い予知はたまにしました。
たとえば、母親がお金を盗まれた日の朝、私は母親に忠告したことがあります。
でも彼女はそれを無視したので結局盗まれてしまいました。
これは守護霊からの警告なのですが、霊的に鋭敏になっていくとそうした波動を受け取ることができるようになるのです。

そして、今持っている人が失う兆候も見ることができます。
このままいけば失ってしまうのだとわかるのです。
どういった感じになるかはわかりません。
病気になって働けなくなって困窮したり、精神的に参ってしまったり、
そんなふうに人間なんて簡単に失うものなのです。
ここで重要なことは、たとえばその人が誰かを馬鹿にしていたりすると
今度はその人に頭を下げないといけない日が来る、ということです。

地上で馬鹿にしていた人がいるとします。
みすぼらしくて汚くて、侮蔑していたとします。
ですが、霊界に行けば立場は逆転します。
今度は自分が霊的貧困になっており、馬鹿にした人に助けを求めることになります。
その時の屈辱や悔しさは言葉にはできないことでしょう。
できれば地上にいる間に性格を改善しておいたほうが賢明です。
意識の世界においてはすべてが鮮烈でダイレクトになります。
良いことも悪いことも強烈な体験になるのです。

ですから、常に魂にとってどういったメリットがあるかを重視してください。
最終的にすべての人間が同じ体験をするようにできているのです。
喜怒哀楽、貧富、各種の誘惑、それらの体験によって魂は進化し、
より強大な存在へと進化していくのです。

私が若い人にアドバイスできることがあるとすれば、
高い地位やお金の多さ、あるいは技能の高さは
神の視点からすれば価値がないことだということです。
大切なのはそうした努力を重ねた中で何を学んでいったか。
がんばること、耐えること、与えること、もちろん与えてもらうことも含めて
人として成熟していくことが大切なのです。
できれば霊的にも成熟していくことができれば言うことはありません。
そもそも私たちが地上に来る目的は霊的向上のためなのですから。
それが一番の目的なのです。

そして、自分の力を誰かのために使うこと。
困っている人、弱い人、普通の仕事においても心を込めること、
相手の立場や環境にとらわれずに人として尊重すること。
どんなささいな努力であっても神はすべてを見ていること。
愛こそが、その中で一番難しい自己放棄こそがもっとも価値があること。
そうしたことを常々思い起こしてくれると嬉しい限りです。

経験上、何かを悟っても実際に身につけるには何度も反復が必要です。
少し悟った気がして、やっぱりできなくて、でもがんばって、
そうして上がったり下がったりしながらも、けっして後退しないのが霊なのです。
私たちは常に向上しています。
どんなに傲慢な人間でも謙虚さを。
どんなに未熟な人間でも上達を。
すべては必ず身につけることができるのです。

すべては些細なこと。

されど、その体験こそが重要なのです。

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